(財)気象業務支援センター、気象情報配信システムを機能強化
  −長時間にわたる配信停止の防止に向けて−

  (財)気象業務支援センターでは、平成21年3月9日に17時間余りにわたり当センターの電文形式データ(天気予報、注意報、地震情報等)の配信が停止し、多くの方に多大なご迷惑をおかけしたことに対して改めてお詫び申し上げます。
  障害の再発防止に向けて当センターは、これまで各種対策を実施してまいりましたが、この度その機能強化についてお知らせします。

1   当センターの配信システムと障害対策
  当センターでは、気象庁が発表する気象や地震等の情報を報道機関、気象事業者をはじめとする利用者との契約にもとづき即時的に提供するために「電文形式データ配信システム」、「ファイル形式データ配信システム」、「防災気象情報FAX配信システム」及び「緊急地震速報配信システム」をそれぞれ24時間体制で運用しています(図−1)。これら各システムの構成とそれらの主な障害対策について以下に紹介します。

図−1(財)気象業務支援センターの即時気象情報の配信データの種類と配信システム(全体図)

(1)電文形式データ配信システム
  このシステムは、気象庁からの気象の予報、注意報、警報、地震情報や津波警報等の電文形式の情報の配信を担っており、平成17年度のシステム更新時から、2台のサーバーによるホットスタンバイ方式の二重化システムをとっており、稼働系のシステムに障害が発生の際には、待機系に自動的に切り替わる方式で、両系障害に陥ることは確率的に低いシステム構成となっています。しかしながら、本年3月9日に発生した障害のように自動切り替えを担う装置(サーバーのハードウェア障害による共用ファイル異常)の障害により正常に切り替えが行われず、両系障害に陥ったことから、今般、従前からの二重化システムとは独立した「緊急代替システム」(単系)を新たに導入し、現用のシステム二重障害時には手動で切り替え、配信業務を継続するようシステムの強化を図りました。この「緊急代替システム」については、利用者の協力を得て手動切り替えの実試験を終え、平成21年6月10日からシステム二重障害発生時には速やかに切り替えができる体制となっています。

(2)ファイル形式データ配信システム
  このシステムは、数値予報のGPV,衛星画像データ等の比較的大容量の情報をファイル形式で配信する役割を担っています。同システムの気象庁からの情報の受信部は、電文形式データ配信システムと同様のホットスタンバイ方式の二重化システムで、利用者への送信部は複数のサーバーによる分散方式をとっています。受信部の障害対策として同様に「緊急代替システム」の整備を行っており、また、送信部の一部のサーバーの障害に対しては、残りの正常に機能しているサーバーにより業務を継続することが可能な構成となっています。

(3)防災気象情報FAX配信システム
  このシステムは各種防災気象情報(文字情報や図形式)を電話FAXにより利用者に送信するもので、そのシステムは電文形式データ配信システムと同様な2台のサーバーによるホットスタンバイ方式の二重化構成となっており、稼働系のシステムに障害が発生すると、待機系に自動的に切り替わる方式で、両系障害に陥ることは確率的に低いものと考えます。万一、両系障害に陥った場合には、電文形式データ配信システムと同様な「緊急代替システム」を整備しており、これにより対応することとしています。

(4)緊急地震速報配信システム
  本システムは専ら緊急地震速報の配信のためのもので、2台のサーバーによる並列運転をおこない、利用者へはそれぞれのサーバーから情報を届けています。このシステムの2台のサーバーは相互の綿密な連携のない独立した構成で、電文形式データ配信システムのような共用部分を持たないため、2台のサーバーが同時に障害となる可能性は極めて低いと見込まれます。

  これらの4種類の配信システムは、いずれも当センターが気象庁庁舎内(千代田区大手町)に設置しています。今回整備した機能強化の「緊急代替システム」の導入により、万一、現用システムの二重障害時においても、配信業務を継続することが可能となり、配信機能の信頼性を従前に比べて飛躍的に向上させました。


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2   東京システムの長期間障害時の即時気象情報配信
  首都直下型地震や施設の火災等により、気象庁庁舎内に設置してあるシステムが壊滅的な被害を受けた場合や、大手町周辺の通信網に大規模な障害が発生し、上記の東京システムからの配信が長期間にわたり配信ができない場合の対策として、当センターでは大阪管区気象台庁舎内に以下のシステムを構築する作業を進めています。このシステムでは、電文形式データ及びファイル形式データで取り扱う情報のうち、気象庁の西日本アデスシステム(大阪管区気象台庁舎内)からの提供可能な情報を取得し、定時的に発生する情報については利用者がGETサーバーから、また、注意報、警報、地震関係報等の不定時に発生するものについては、メールでの配信により、情報提供を継続することとしています。6月下旬から、本システムの整備作業を実施しており、6月末現在、その一部の機能が稼働し、7月末には所定の機能の整備が完了する予定です。このシステムにより、気象庁庁舎内に設置してある当センターの配信システムが稼働不能となったときに、利用者は専用のIDとパスワードを用いてインターネット環境により情報を継続して入手することができます(図−2)。

図−2  電文形式データ配信システムの構成と障害時の運用形態
・上の枠内は、気象庁庁舎にて当センターが運用中のもの(稼動系・待機系は、稼動系障害時に待機系に自動的に切り替え、この自動切り替えが出来ないような二重障害時は、稼動系及び待機系の切り離しと緊急代替システムの接続をそれぞれ手動で行う。)
・下の枠内は、大阪管区気象台庁舎内に当センターが設置作業中のもの(相互に独立した1系及び2系両系とも当センターの配信システム運用室(気象庁本庁庁舎内)からの遠隔監視により無人で常時運用されている。利用者はインターネット環境により本システムからの情報提供を常時受けることができる。)

3   その他
  各種機能強化システムの整備とともに、当センターでは、障害発生時の復旧作業手順の見直しや、利用者専用ホームページの開設等も進めており、より確実で安定した気象情報の即時提供の確保に努めております。

関連する記事等
・(財)気象業務支援センターの気象情報配信サービスの紹介パンフレット
・平成21年3月9日に発生した「電文形式データ配信システム」の障害について

本件お問い合わせ先
   (財)気象業務支援センター配信事業部
   電   話: 03-3215-2205    E-mail: katou@jmbsc.or.jp
   ―平成21年7月9日掲載―

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