気象ロケット観測30年報
内容
気象ロケット観測は、気球を用いた高層観測では測ることのできない、高さ20~60Kmの成層圏から中間圏と呼ばれる領域の気象観測を行うものです。
この高さでは、気温が高さとともに上昇し50Km付近で極大となっています。これは主に、この領域における大気中の酸素やオゾンが太陽紫外線を吸収して昇温するためです。このことは、気温が太陽活動のような自然現象に伴う変動のほかに、近年注目されている人間活動に伴って排出されるオゾン破壊物質や温室効果ガス等の増減に影響されることを示しており、気温などの大気状態の観測を長期継続することは、気候の実態監視や変動のメカニズムの解明に有力な手がかりとなるとともに、大気大循環の把握及び長期予報の精度向上を図るためにも重要です。気象ロケット観測は、この高さにおける気温、風向・風速を高い精度で観測できます。
気象ロケットは、国際的な取り決めにより、毎週水曜日の午前11時に打ち上げられ、観測で得られた資料は世界の気象機関を結ぶ気象通信網を経由して各国に通報されます。
特記事項
気象ロケット観測所(北緯39度02分、東経141度50分、海抜260m)は、岩手県三陸町綾里立石山中腹の三陸海岸に、北太平洋唯一の気象ロケット観測所として、1970(昭和45)年4月に開設され、同年7月15日から2001(平成13)年3月21日までの間に気象ロケットによる1119回の観測を行いました。
収録期間
1970年~2001年
閲覧方法
CD-ROMのルートにある index.htm を開いて観測データを表示します。