過去の気象データ

気象庁海況統計資料 1971-2000

内容

本CD-ROMに収録した海水温の平年値および標準偏差は、1971~2000年までの30年間の観測値データから作成した解析値をもとに算出したものです。
 平年値は、西暦年の1位が1の年から連続する30年間の観測値を平均した値(WMO技術規則に拠る)であり、10年ごとに更新しています。
 解析値は1971年から2000年までの30年間の旬毎(1080旬分)および月毎(360月分)について収録されています。

収録内容詳細

  • 1.海面水温
  • 2.日本近海における100m深水温
  • 3.海面水温平年値の比較
  • 4.沿岸水温
  • 5.海域平均海面水温の長期変動

1. 海面水温

海面水温統計値を作成するにあたり、まず全球(80S~80N)の緯経度1度の旬平均海面水温格子点値を作成した。解析は、現在気象庁気候・海洋気象部で用いている解析手法(海洋気象部海洋課,1990a)で行った。使用したデータは気象庁で収集した船舶、海洋観測ブイ、航空機などによる海面水温データ(1971~2000年)と、米国海洋大気庁(NOAA)(1)において収集された船舶やブイによる海面水温データ(COADS)(2)である。なお,1998年以降の日本近海(20N~50N,110E~160E)の解析にはNOAA極軌道衛星による海面水温観測データも利用している(気象庁気候・海洋気象部海洋課,1998;栗原,2000)。
 世界気象機関(WMO)(3)は平年値を連続する30年間の観測値を平均した値として定め,30年ごとに平年値を算出するよう求めていて,最近では1961年から1990年がこの期間にあたる。気象庁では地上気象について,西暦年の1位が1の年から数えて,連続する30年間について算出した累年平均値を平年値としており,海況資料についてもこれに準じて平年値を算出している。

   (1) NOAA :National Oceanic and Atmospheric Administration
   (2) COADS :Comprehensive Ocean-Atmosphere Data Set
   (3) WMO :World Meteorological Organization

1-1. 北西太平洋

旬平均海面水温の平年値と標準偏差は、上記全球旬平均格子点値から北西太平洋域(0~60N、100E~180)を切り出し、各旬、各格子点について解析値が5年分以上ある場合に算出した。
 月平均海面水温の平年値と標準偏差は、北西太平洋域の緯経度1度格子の月平均格子点値から、各月、各格子点について解析値が5年分以上ある場合に算出した。なお月平均格子点値は、上記北西太平洋旬平均格子点値からその月の旬平均解析値が2旬分以上ある格子についてその値を平均して求めたものである。
 オホーツク海、日本海北部、黄海の北部や渤海ではデータが少なく、また冬季に氷結することから平年値の求められない旬・月がある。

1-2. 全球

全球月平均海面水温の平年値と標準偏差は、80S~80Nの緯経度2度格子の月平均格子点値から、各月、各格子点について解析値が5年分以上ある場合に算出した。この格子間隔は前述のCOADSに沿ったものである。緯経度2度格子の月平均格子点値は、該当格子点から東西南北に1度の範囲内に,上記の緯経度1度格子の旬平均格子点値が6個以上求められている場合に,その値を平均して求めたものである。
 北極海、南極周辺、オホーツク海など冬季に氷結する海域や、南太平洋南東部ではデータが少なく、平年値の求められない月がある。

2. 日本近海における100m深水温

日本近海(24N~48N,121E~161E)の100m深水温統計値を作成するにあたり,緯経度30分間隔の月平均100m深水温格子点値を作成した。解析手法は,1989年分までは主観的等値線解析である。表層水温の全観測値を地図上にプロットし,等値線を描き,緯経度30分桝目ごとに1℃単位で読み取った値を月ごとの格子点値とする。1990年分からは関数あてはめ法(気象庁海洋気象部海洋課,1990b)により緯経度15分間隔の客観格子点値(0.1℃単位)を求め,さらに個々の格子点から東西南北に15分の範囲内に含まれる格子点値(最小1個,最大4個)の単純平均値とした。使用したデータは気象庁で収集した観測船、商船及びブイ等による100m深水温の現場観測データである。
 平年値と標準偏差は,この値が5年分以上ある月、格子点について算出した。観測船による定期観測の外側の海域ではデータが少なく,平年値の求められない月がある。

3.海面水温平年値の比較

北西太平洋旬平均海面水温及び全球月平均海面水温について,新平年値(統計期間1971年から2000年)と旧平年値(統計期間1961年から1990年)の差を分布図として収録した。図は各格子点の(新平年値-旧平年値)を示したものであり,赤い部分が正の領域で新平年値の海面水温のほうが高く,青い部分は負の領域で新平年値の海面水温のほうが低い。
 南緯30度以南の海域やデータ空白域との境界付近では大きな差が出現している部分があるが,これらの海域では観測データが十分でなく,新旧両平年値とも値の品質が必ずしも良くない場合があるので留意する必要がある。(気象庁海洋気象部海洋気象情報室,2001)

4.沿岸水温

気象庁では、現在、以下の7か所の沿岸水温を1時間毎に観測している。ここでは毎日10時(日本時間)の観測値の旬平均値および月平均値を収録するほか,統計期間の旬・月平均値の平均を平年値として収録する。  

  地点名 国際地点番号    位 置      統計期間
  江差   47428   41゚52'N, 140゚08'E  1985-2000年
  宮古   47585   39゚39'N, 141゚58'E  1979-2000年
  小名浜  47598   36゚57'N, 140゚54'E  1977-2000年
  浜田   47755   34゚54'N, 134゚01'E  1986-2000年
  御前崎  47655   34゚36'N, 138゚13'E  1971-2000年
  八丈島  47678   33゚06'N, 139゚47'E  1971-2000年
  石垣   47918   24゚20'N, 124゚10'E  1971-2000年

5.海域平均海面水温の長期変動

海面水温偏差の長期変動をグラフで示す。偏差は当該海域の海面水温解析値と海面水温平年値(統計期間1971年から2000年)との差である。解析値、平年値ともに緯経度2度格子の全球月平均格子点値を用いている。

5-1.海域平均海面水温

下記の6つの海域における月平均海面水温偏差の海域平均値とその13か月移動平均値の過去50年の時系列を示す。

  1 全球    : 80゚N, 0゚E - 80゚S, 0゚W
  2 北太平洋中部: 20゚N, 150゚E - 50゚N, 140゚W
  3 南太平洋  : 40゚S, 170゚E - 20゚S, 100゚W
  4 インド洋  : 40゚S, 50゚E - 10゚N, 100゚E
  5 北大西洋  :  0゚ , 60゚W - 50゚N, 10゚W
  6 南大西洋  : 40゚S, 50゚W - 0゚ , 10゚E

5-2.太平洋熱帯域の海海域平均海面水温

下記の4つの海域における月平均海面水温偏差の海域平均値の過去18年の時系列を示す。

  D 西  部  : 14゚N, 130゚E - 0゚ ,150゚E
  A 中  部  :  4゚N, 160゚E - 4゚S,150゚W
  B 東  部  :  4゚N, 150゚W - 4゚S, 90゚W
  C 南米沿岸  :  0゚ , 90゚W - 10゚S, 80゚W

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