領域課題3 概要


気候変動予測先端研究プログラム 領域課題3「日本域における気候変動予測の高度化」

(ⅰ) 日本域の気候変動の予測システム開発とメカニズム解明

 ⅰ-a:全球班 全球高解像度気候変動予測システム開発

 ⅰ-b:領域班 日本域大気・陸面変動予測システム開発

 ⅰ-c:海洋班 日本域海洋変動予測システム開発

 ⅰ-d:解析班 統合的解析による日本域気候変動メカニズム解明

(ⅱ) 地域・流域の適応策推進に向けた気候変動予測情報の創出・極端現象メカニズムの解明

 ⅱ-a:開発班 高解像度データセットと力学的・統計的情報を統合した予測手法の開発

 ⅱ-b:EA班 近年の極端気象に影響を及ぼす気候気象要因の分析

 ⅱ-c:地域班 地域・流域スケールにおけるリスク増大・最大規模を考慮した極端現象のメカニズム解明

(ⅲ) 海外の脆弱地域における高精度気候予測データセットの創出(国際連携)

課題全体での取り組み

 プロダクツ利活用促進 ワークス

研究体制

組織図
pagetop

  2020年以降の温室効果ガス排出削減のための国際的枠組みであるパリ協定が2016年12月に発効しました。この中では、産業革命後の温度上昇目標として2.0℃、また努力目標として1.5℃が掲げられています。パリ協定では、5年ごとに参加各国の温暖化対策の実施状況等の報告の義務があります。これに伴い国内でも5年サイクルでの温暖化関連各種レポート(日本の気候変動2020、影響評価報告書2020等)、あるいは我が国のナショナルシナリオ(予定:気候予測データセット2022)の発行が求められています。また、パリ協定の実現に向けて我が国政府も、カーボンニュートラル2050(CN2050)を宣言しています。これまでの文科省の研究プログラムにおいても、政府による、ナショナルシナリオに含まれる予定の気候予測データセットの気候変動適応策への活用はすでに始まっています。本課題では、今後一層必要性が増してくる国・地方自治体による気候変動適応策の検討・実施や民間企業の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)における気候変動に伴い増加が懸念される異常気象等の物理リスク評価などにともなうユーザーニーズに対応することを目指します。
 その為に、温暖化対策検討の根拠となる我が国のより高精度なナショナルシナリオの提供を目指し、高精度のモデルのアセンブル、2021年8月に承認された気候変動に関する政府間パネル第1作業部会(IPCC/ WG1)の第6次評価報告書の評価で使われたSSP(共通社会経済経路)シナリオによる計算実施から気候変動に伴う気候ハザードの要因分析、温暖化予測データの効果的な配信に向けた研究を行なうことを目的とします。本課題では、以下のサブ課題及びワークスで研究に取り組みます。
サブ課題ⅰ「日本域の気候変動の予測システム開発とメカニズム解明」では、気象業務支援センター(JMBSC)が海洋研究開発機構(JAMSTEC)とともに、領域気候モデル、海洋モデルを含む高精度モデルの開発とアセンブルを行ない、さらにSSP(共通社会経済経路)シナリオによる計算実施から気候変動に伴う大規模な気候ハザードの要因分析を実施します。
サブ課題ⅱ「地域・流域の適応策推進に向けた気候変動予測情報の創出・極端現象メカニズムの解明」では、北海道大学が、東北大学、名古屋大学、JAMSTEC、JMBSCとともに、ユーザフレンドリーな情報の創出を目指して、メガアンサンブルデータの改良と実行、イベントアトリビューション研究の推進、AI等を活用した低頻度極端現象の抽出方法等の研究開発を専門家の参加を得て行ないます。
サブ課題ⅲ「海外の脆弱地域における高精度気候予測データセットの創出」では、JMBSCが中心となり、海外関連研究機関と連携を取りつつサブ課題1、2の成果を世界の脆弱地域に還元する研究を実施します。
サブ課題横断で実施するワークス「プロダクツ利活用促進」は、JMBSCとJAMSTEC中心で、温暖化予測データをユーザーに効果的に提供するシステムをデータ統合・解析システム(DIAS)上に構築・運用し、データの利活用を促進します。このワークスは本課題参画者と課題内外のユーザーを繋ぐ役割を担い、本課題のテーマである「行動につながる気候科学」の円滑な実現を目的とします。

年度ごとの研究内容


  • 令和5年度
  • 令和4年度

  • pagetop