高潮予測プロダクト
はじめに
2019(令和元)年12月17日より、高潮予測プロダクト(高潮モデル格子点値、高潮ガイダンス格子点値、潮位に関する全般解説資料)の提供を開始しました。
2020(令和3)年4月26日00UTC(日本時間26日午前9時)初期値の資料から、高潮モデルについて、適用する台風ボーガスの作成手法を高度化する変更が実施されます。
- 高潮モデル格子点値
- 高潮ガイダンス格子点値
-
潮位に関する全般解説資料
※ この資料は、「天気図画像ファイル」で提供します。
高潮モデル格子点値
内 容
気象庁高潮モデルの計算結果に基づく、日本沿岸域における潮位の予測値。
配信要素
- 予測潮位(潮位偏差+天文潮位)[m]
- 天文潮位[m]
- 海上風(東西成分、南北成分)[m/s]
- 海面気圧[hPa]
- 予測潮位及び天文潮位は、東京湾平均海面(TP)からの高さ(標高)です。
- 予測潮位及び天文潮位は、過去1時間の予想の最大値を配信します。
- 海上風及び海面気圧は、毎正時の予想を配信します。
初期時刻
00、03、06、09、12、15、18、21UTC(1日8回)
配信時刻
初期時刻+2時間40分頃(1日8回)
配信領域
日本沿岸から20km以内の1km格子(約21万格子点)
予報期間
1時間後から39時間後まで1時間間隔
データ形式
国際気象通報式 FM92 GRIB 二進形式格子点資料気象通報式(第2版)
※略称:GRIB2
配信ファイル数
-
非台風時:
1ファイル(1メンバー※のみ配信する) -
台風時※※:
6ファイル(6メンバー※を配信する)
※ メンバー数については、こちら
※※ 台風時とは、予報時間(39時間)中に、日本沿岸300km以内に台風が存在すると予想される場合のこと。
ファイル容量
-
非台風時:
約 60MB/回×8回/日=約 480MB/日 -
台風時:
約300MB/回×8回/日=約2,400MB/日
メンバーについて
気象庁の高潮モデルは、大気外力(海上風、海面気圧)をもとに潮位を計算します。
非台風時は、気象庁メソ数値予報モデル(MSM)の大気外力をもとに1メンバーの予測を行います。
台風時は、MSMを用いた予測に加え、台風ボーガス※を用いて、台風コースに沿った5メンバーの予測を行います(下図)。このように、台風時は合計6メンバーの予測を行います。
※ 台風ボーガスとは、気象庁が発表する台風進路・強度予報をもとに、典型的な台風の分布を仮定して仮想的な海上風・海面気圧を推定する手法のこと。
その他
-
(障害時やメンテナンス時の対応)
システム障害等により、当該気象情報の作成が不可能となった場合、データの再送は行いません。あらかじめご承知おきください。
技術資料
配信資料に関する技術情報 第521号,第560号
☞ 配信資料に関する技術情報:こちら(気象庁ホームページ)
☞ 配信資料に関するお知らせ:こちら(気象庁ホームページ)
国際気象通報式・別冊
☞ 国際気象通報式・別冊:こちら(気象庁ホームページ)
配信資料に関する技術情報 第521号 関連サンプルデータ
☞ こちらのページに掲載
高潮ガイダンス格子点値
内 容
高潮モデルで直接計算していない要因(海況要因、浅海潮、波浪効果)※について補正量を算出し、高潮モデル格子点値の予測値を補正したもの。
※ 補正要因については、こちら
配信要素
- 予測潮位(高潮モデル格子点値の予測潮位+補正量)[m]
- 予測潮位は、東京湾平均海面(TP)からの高さ(標高)です。
- 予測潮位は、過去1時間の予想の最大値を配信します。
初期時刻
00、03、06、09、12、15、18、21UTC(1日8回)
配信時刻
初期時刻+2時間50分頃(1日8回)
配信領域
日本沿岸から20km以内の1km格子(約2万格子点)
予報期間
1時間後から39時間後まで1時間間隔
データ形式
国際気象通報式 FM92 GRIB 二進形式格子点資料気象通報式(第2版)
※略称:GRIB2
配信ファイル数
-
非台風時:
1ファイル(1メンバー※のみ配信する) -
台風時※※:
6ファイル(6メンバー※を配信する)
※ メンバー数については、こちら
※※ 台風時とは、予報時間(39時間)中に、日本沿岸300km以内に台風が存在すると予想される場合のこと。
ファイル容量
-
非台風時:
約 2MB/回×8回/日=約 16MB/日 -
台風時:
約 12MB/回×8回/日=約 96MB/日
メンバーについて
気象庁の高潮モデルは、大気外力(海上風、海面気圧)をもとに潮位を計算します。
非台風時は、気象庁メソ数値予報モデル(MSM)の大気外力をもとに1メンバーの予測を行います。
台風時は、MSMを用いた予測に加え、台風ボーガス※を用いて、台風コースに沿った5メンバーの予測を行います(下図)。このように、台風時は合計6メンバーの予測を行います。
※ 台風ボーガスとは、気象庁が発表する台風進路・強度予報をもとに、典型的な台風の分布を仮定して仮想的な海上風・海面気圧を推定する手法のこと。
ガイダンスで考慮している補正要因について
気象庁の高潮モデルは、主として海上の風が沖から岸に向かって吹くことによる「吹き寄せ効果」と、台風や温帯低気圧による気圧低下に伴う「吸い上げ効果」により生じる潮位の変動を予測します。一方、実際に生じる潮位の変動は、これらの要因以外にも、波浪効果、海況要因、浅海潮の影響により発生する場合があります。
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① 波浪効果(wave setup)
外洋に面した海岸や島嶼部では、波浪が砕波する際に潮位が上昇する現象が見られることがあり、波浪効果と呼ばれています。 -
<参考>気象庁ホームページ>潮汐・海面水位の知識>波浪効果
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/wavesetup.html -
② 海況要因
黒潮など海流の流路の変動や、暖水渦・冷水渦の接近などにより、沿岸部の潮位が変動します。海況要因に伴う潮位変化は一度起こるとある程度の期間(概ね1週間から3か月程度)継続する場合があります。 -
<参考>気象庁ホームページ>潮汐・海面水位の知識>異常潮位
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/ijochoi.html -
③ 浅海潮
浅海域で発達しやすい、半日より短い周期の分潮※です。特に、有明海や内浦湾、瀬戸内海では浅海潮による影響が大きくなります。 - ※ 潮汐を起す力(起潮力)は天体の引力の効果であり、天体の運動は大部分が周期的であるため、起潮力は様々な周期の三角関数の総和として表すことができます。この、個々の周期の三角関数で表される潮汐の成分を分潮と呼びます。
これら①~③の要因については、現在気象庁の高潮モデルでは直接計算しておらず、高潮モデル格子点値にはこれらの要因による潮位変動の効果が含まれておりません。
そのため、過去の潮位観測値や実験式等をもとに、これらの効果を補正量として見積もり、高潮モデルの計算結果を補正したものを、高潮ガイダンス格子点値として提供します。
その他
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(障害時やメンテナンス時の対応)
システム障害等により、当該気象情報の作成が不可能となった場合、データの再送は行いません。あらかじめご承知おきください。
技術資料
配信資料に関する技術情報 第521号,第535号,第560号,第579号
☞ 配信資料に関する技術情報:こちら(気象庁ホームページ)
☞ 配信資料に関するお知らせ:こちら(気象庁ホームページ)
国際気象通報式・別冊
☞ 国際気象通報式・別冊:こちら(気象庁ホームページ)
配信資料に関する技術情報 第521号 関連サンプルデータ
☞ こちらのページに掲載
潮位に関する全般解説資料
内 容
「高潮モデル格子点値」及び「高潮ガイダンス格子点値」の解釈のポイント等を解説した資料。
提供方法
この資料は、「天気図画像ファイル」で提供します。
配信時刻
1日3回(00時45分頃、09時30分頃、12時30分頃、いずれも日本時間)
ファイル形式
PDF形式(カラー・A4横・複数ページの場合あり)
ファイル容量
約100KB/回×3回/日=約300KB/日
技術資料
配信資料に関する技術情報 第521号
☞ 配信資料に関する技術情報:こちら(気象庁ホームページ)
☞ 配信資料に関するお知らせ:こちら(気象庁ホームページ)
配信資料に関する技術情報 第521号 関連サンプルデータ
☞ こちらのページに掲載